第8回 本当に脳みそが腐る前にそんなもの飲むのやめるんだ
処刑ライダー(1986)
例によって日本語吹き替え
改めて見返すと、OPからなんやら音楽が秀逸であることを思い出す。
この記事はサントラCDを引っ張り出してリピート再生しながら制作しております。
お越しの方はYouTubeでどうぞ。
未見の方がこのようなブログに来ることはなかろうと雑に記事にしてみるが、見どころは多い。
まずは、悪役スカンクというキャラクターを懐かしんでいこう。
この作品は日本語吹き替えがやはり秀逸である。千葉繁氏がたまらない。
「クァアアア!キクぜぇぇェ!」
と彼が口に含むものは麻薬ではない。
真ん中の男がスカンクだが、彼が持つピンク色の液体は車のクーラント液である・・・。
この映画でスカンクが登場するシーンを見てみると、車のクーラント液や工業油、はてはアメリカで販売しているクレ556のようなCRCなど、およそ人体が取り入れるべきでない工業系液体を口から鼻から摂取している姿がほとんどである。イカれているのだ。
「キクぜェ!喉が痺れてらァ!」と悶絶し、劇中幾度となく繰り返される「クァァァァ!キクゼェ!」
この千葉氏の吹替と苦みばしったモホーク頭の役者の演技に愛嬌を感じる諸兄がほとんどであろう。
主人公はチャーリー・シーン。ジェイミー(チャーリー・シーン)を殺害した悪党のボス(未見の方はどういうことか分からないと思うが)、パッカードからも
「もう1つ、頼みを聞いてくれ・・・。本当に脳みそが腐る前にそんなもの飲むのやめるんだ!」
と叱責されている。「分かったよゥ・・・」と言いながらも喉を潤すのを忘れない。
クアアァァッッッ!!!!キクゼェェ!!!
愛車はバラクーダ
偏執狂ストーカーでもある悪党走り屋集団のボス、パッカード
「 男のバイクの後ろに乗ったら死ぬことになるぞ・・・俺の女だ」
とても惚れた女に言う台詞ではない。付き合ってるようにも見えない、しかしパッカードは粘着質な目で女を見つめるのである。
惚れた女の彼氏が前述のジェイミーだが、パッカードは女欲しさに仲間とメッタ刺しにし、ジェイミーを殺害。その後女に付きまとっている。
コレ、部下の走り屋は殺人まで犯して、なんでこの人の言うこと聞いているのかイマイチ分からない。
カリスマ性皆無、今で言うストーカーを拗らせた異常者、男のヤンデレ、悪の道においても嫌われ孤立すると思うのだが・・・。
台詞もいちいち気持ちが悪く、正常性バイアスからか笑いがこみ上げてくる。
例えば、パッカードが仲間の車に乗車すると開口一番
「あの男を見てみろ・・・」(視線の先には半裸のチャーリー・シーン)
・・・ 仲間からしてみたら両方イケる口なのかと訝しんでしまいそうである。
ちなみに、彼の愛車はコルベットである。
その他諸々、見どころはあるのだが(走り屋なのに全員オートマだとか)、ぶっとびキャラが出てきて笑えるだけの映画でもない、ということは誤解無きよう明記しておかなければならない。
ジェイミーそっくりのジェイクが乗っているXLに当時の思いを馳せてみたり
謎の黒い車に宇宙の開闢と終焉を見たり(最後の最後でジェイクの口からターボインターセプターという名称が出てくるのも感慨深い 説明書はダッシュボードにある)
映画監督ロン・ハワードの弟クリント・ハワード演じるメカニック、ラグが将軍様のようだと話題であったり
様々であるが、この映画には感動的な名シーンまで存在している。既に観賞された諸兄には、誰でも思い浮かぶ1シーンがあるであろう。
確実なるネタバレであり、未見の方からはこのろくでなしめ!と扼殺されても文句は言えないが、何が起こってもカリギュラ効果のせいなのでラストシーンに移動しよう。私は悪くない!
~ラストシーン手前~
ビリーの魂の咆哮で今回の記事は締めさせていただこう。
「君は誰なんだ・・・まさかそんな・・・」
第8回 完!!
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HONDAのXLで荒道を走るにも、このシャツで!!!!!!!